ブラジル プログレ

ALEX SABA


・SOB TODOS OS ASPECTOS (2007)

1958年生まれだというマルチ奏者。アルバムタイトルは英語だとUNDER ALL THE CIRCUMSTANCESになるらしい。
殆どの曲は一人による演奏で、ゲストはコーラス等ごくわずか迎えているだけ。出てくる音といえば、民族音楽調のものや牧歌的なリコーダーやフルートによる曲などもあるが、一番多いのがギターやキーボードを変化なく垂れ流す曲という大変キビしいものです。眠くなる……ケド鼓膜に突き刺さるような音色なんで寝かせてもくれない(苦笑)。特に中盤のギターによる曲はキツイっすわ。それを耐えて登場するエキストラトラック扱いのラスト2曲はプログレファンの耳に馴染む曲になっていて結構イイです。これだけの曲を聴けるならそれまで耐えるのも悪くないかも。


(2015.01.25.Sunday)

G.A.L.F.


・SPIRALS OF TIME (2006)

70年代から活動するRECORDANDO O VALE DAS MACASのギタリスト、Fernando Pachecoが中心のシンフォニック・ロックバンド。キーボード奏者はゲスト扱いながら、曲作りにも参加しており、ジャケにもAND GUESTSとちっこく書かれてます。叙情性やドラマ性よりも明るく開放的なメロディ主体。丁寧に丁寧に頑張ってメロディを紡ぐ、でも演奏はパッとせず、結果メロディは爽やかな部分が多いのになんか粘っこい音になってます。いきなり25分の大作で、雰囲気自体はイイカンジだけどあまりイイ印象の無いメロディが多いんですよね。妙に音を外してるように聞こえる。私の耳が悪いんだろうか……。そんな中、4曲目の「Earth」が気に入りました。この曲はドラマ性が目立ってます。


(2012.04.20.Friday)

PROJETO CALEIDOSCOPIO


・CARROSSEL (2002)

Analu Paredes, Arthur Nogueiraによる男女デュオで、多様なゲストを迎えて制作されている。その中にはSAGRADOMarcus Viana, O TERCOFlavio Venturiniなどプログレ方面での活動で知られる人達もいるぞ。
ゆったりまったりの落ち着いた歌モノで、南米らしさ十分のポップスという感じでしょうか。SAGRADOのポップな部分のみ集めたみたいな印象。もうちょい派手な展開が欲しい……なんて思ったりもするし、おんなじようなテンポの曲ばかりなんで70分近くを聴き通すのは厳しいかな。とはいえどれも平和な香りのする歌で曲単体では結構好きです。Takami Fuseなる人による日本語も入ったりします。歌詞カードにも「端々を星に祈りましょう」云々と直筆の詩が載っていますが誰の作なんでしょう? ブラジルということで日系の人でしょうか。検索しても何も引っかからず……


(2020.07.23.Thursday)

SOM NOSSO DE CADA DIA


・SNEGS (1974)

70年結成のサンパウロのバンド。
泥臭いオルガン・ロックからシンセウネウネのサイケ/スペース・ロック、サックスもノリノリのジャズ・ロックまでごった煮のカオスなサウンド。プログレなKeyもふんだんに聴けます。フラフラと不安定なヴァイオリンがシンセ空間に浮き上がる場面とかサイケで最高にイイ! この迫力ある音楽、聴き応えあります。


(2013.03.03.Sunday)

TESIS ARSIS


・ESTADO DE ALERTA MAXIMO (2005)

Anderson Rodriguesによる一人プロジェクト。この人は1958年生まれというからプログレでは珍しくもないデビューは遅いが若くないというパターンか。
悲しみに包まれたドラマティックな曲ばかり。これは……イイッ! メロディに無駄なところがなく耳を離せない。勢いがあって本来カッコイイと思うようなところでも悲しくてなんか、不思議な気持ちにさせられる。演奏でなく、メロディでこれだけ聴き手を圧倒する曲を書ける人はきっと少ない。演奏的にはどんくさいサウンドではあるが (でもラスト曲のシンセソロは至高だと思う)、これでいい。名盤!


(2013.01.08.Tuesday)

TREM DO FUTURO


・TREM DO FUTURO (1995)

ブラジル東部セアラにて80年代に結成されたというバンド。
熱いヴォーカルに泣きのギターにフルートまで用いたドラマティックなシンフォニック・ロック。とくれば私の大好物のはずなんですが、本作はそれほど心動かされることはなかった。コミカルな部分も目立つことと、せっかくフルート奏者がいるのに勢いある旋律ばかりってのが個人的にイマイチと感じる原因かな。泣きのフルートが聴きたいんじゃー。線の細いギターの音色も気になる。でも決して嫌いじゃないし好きなんだけど、もう一歩突き抜けるものが欲しかった。


(2014.02.23.Sunday)


・O TEMPO (2008)

すっごく優雅に始まったかと思いきや、それを一気にブチ壊してギターやフルートが暴れるサウンドに。そして引いたと思ったらミステリアスさを演出と、あらゆるものが表現力を増していることにすぐに気付く。前作にはなかった哀愁のトラッドめいた部分と派手で激しいロック部分の落差が素晴らしい。前作も曲によりドラマ性が際立っていたが本作は終盤を除きずっとそんな感じ。いやー前作とは比べられない名品です。古い汽車の上に紳士が乗っているというアートワークも雰囲気あってイイ。


(2014.02.23.Sunday)


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