オランダ プログレ

APHRODISIAC


・DEA EX MACHINA (1996)

薄くシンセが取り巻く中を流暢さと癖の強さが半々なVoが聴こえ、ギターはヘヴィではないがザクザク。骨格はフツーのロックでそれをシンセで過剰に着飾っただけみたいな感じは少なく、爽やかポップ成分が多くあったりもせず、陰を感じられる曲が多いのがイイね。とはいえなにか突出した魅力があるかというと……うーん。アルバムラスト、シンセの洪水の中を聴こえてくる怒涛のギターソロぐらいかな、グッときたのは。典型的な悪くはないけどねぇ……ってレベルかな。


(2013.08.29.Thursday)

BITTERTOWN


・SCENES FROM THE BOX (2008)

ポップさのあるプログレサウンドを出すバンド。
女性含めヴォーカルが3人いますがなんかマヌケな声の人がいるな。歌メロは悪くないけど、なんとも特徴のない曲が並んでいて、後半になると聴いているのがしんどくなってくるなぁ……細かなアレンジには光るものがあるかもしれん。


(2012.10.18.Thursday)

FOCUS


・X (2012)

プログレの中でも有名バンドの一つ。かつて初期のアルバムの紙ジャケ買って聴きまくってたなぁ。
本作はわりと最近のもので、メンバーはかつてとは大きく違っているけど中心人物のThijs Van Leerは健在だし、そのサウンドはどこからどう聞いてもFOCUSであります! 一時期病気で口が動かなくなったという話だったけど、ここではちゃんとフルート吹けてるし、あの可笑しなヨーデルこそないけど声も出てる。ハードロック調のリフはどこかで聞いた感が凄いけれど、そこにフルートが入ってくるだけで嬉しい。トロピカルな明るさに溢れていたり、ジャジーな曲は落ち着いた中に滾る熱さがあったり、まさにいつものFOCUSだなぁ。淡々としたギターにフルートが乗っていつしかドラマティックになって泣ける 「All Hens On Deck」 が大好き。オルガンがまた70年代と同じ音で…………メロディの感覚も変わってなくて、強い芯を感じるのです。


(2019.03.29.Friday)

GET-STAS!


・AND DON'T LOSE IT…… (2009)

2008年結成だというバンド。
オランダらしいメロディ重視のシンフォっぽい部分もあるような気はするけど、基本メロディアスハードロックってとこか。特別個性が見えるわけでなし、気に入った曲もないけど、聴き手の気分を盛り上げてくれるサッパリした音楽って感じ。そんななかわずかに哀愁漂わせたメロディはイイね。暑苦しくならない程度にしっかりしたVoも好き。


(2013.02.12.Tuesday)

KING EIDER


・SOMATERIA SPECTABILIS (2005)

Derk-Evert WaalkensHans Gerritseによるデュオ。KNIGHT AREA関係のゲストが参加したりしている。
全体的に頼りない音のシンフォですが、固くたどたどしい演奏や、素人っぽいヴォーカルが気にならないぐらいそのメロディは絶品! じっくり紡いでくれるメロディが好きな人に訴求するんじゃないかな。曲中に静かで冷たい情景を喚起させるようなパートを挟んだりと緩急のつけ方も申し分なし。個人的に一番気に入っている所は3曲目、声が気付けばキーボードにすり替わっている部分。いつ聴いても鳥肌モノだ。


(2014.05.28.Wednesday)

THE LAST DETAIL


・AT LAST... THE TAIL (1990)

全く知らないバンドだが、90年代のプログレというのは私にとって一番未知の部分。なにせ再発される頻度が低すぎる! 故に見かけると無条件についつい買ってしまうのだ。
美しいジャケに惹かれたのも購入の理由なんだけど、このアートワーク、描いた人は不明なんだそうな。ロンドンのハイドパークにある絵……らしいけどよくわからず。
さて内容ですが、シンフォ、ポンプな感じもありつつ、軽めの音でポップに、爽やかにって感じのフツーのロックってとこかね。今は亡きSI MUSICが配給しているんで本人達的にはプログレなんでしょうけど。Voは頑張っているけど引っ込んでしまっているサウンドプロダクションが残念。演奏もちょっと厳しいか。プログレならではの想像力に溢れた部分も特に感じられず、冴えないなぁ……。ハッキリいってイマイチ、でも後半に幾つか劇的な展開を持った曲がある。ラストのバラードもありがちだがまぁまぁ。


(2013.07.20.Saturday)

TRION


・TORTOISE (2003)

オランダの現代シンフォ代表格FLAMBOROUGH HEADODYSSICEのメンバーによるプロジェクト。
バンド名はTRIO MELLOTRONを略したものだとか。そんなわけでメロトロン満載の作品です。ブックレットを見ると弦楽器、管楽器、果てはオルガンの音までメロトロンで出しているそうな。Roger Dean風のジャケ (実際に描いたのはJasper Joppe Geersという人) からして70年代ブリティッシュへの憧憬溢れるサウンドということがわかるし、あの魅惑の音色をアルバム丸々堪能できるわけですが、使い方としてはある程度抑制している感じで、爆発っぷりがないのは残念。メロディも悪くはないし、ファンタジックなムードはよく出ているんだけど、どことなくメロトロンの響きに騙されているだけのような気がしてしまう。それでも好きな作品です。


(2013.06.20.Thursday)

US


・FEEDING THE CROCODILE (2010)

1998年結成のバンド。メンバーは70年代から活動しているそうだ。順調なペースでアルバムを出しているし、それなりのクオリティを有するバンドなんじゃないかと勝手に思ってましたがさて。
Yoshikoという女性に捧げられたこのアルバム、いきなり40分を超える大曲で始まる。シャープさがまるで無い演奏、多少GENESIS臭がするも魅力無い声のヴォーカル……。シンフォのお約束に忠実であり、こんだけ長きゃそりゃ耳を惹く部分もあるさ。でも展開に乏しくすごく平坦。40分をずっと聴かせるだけの優れたアイディアや技量はない。とはいえ、ホントに混じりっけのないシンフォであり、プログレが好きってのは嫌というほど伝わってくる。こういうバンドはいくらB級でもC級でも好きですって人はいるんじゃないか。


(2013.11.10.Sunday)


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