ハンガリー プログレ

AFTER CRYING


・6 (1997)

現代プログレの有名バンドの一つ。
個人的にはバンド初期の静かで気品ある作品が好きなため、本作のようなブラスバンド的なゴージャスな音は趣味じゃないなって当時は思ったんだけど、いざ聞き返してみるとこれはこれでなかなかイイかも。物凄く盛り上げといてアッサリとレトロな映画音楽風に引っ込む部分は今も昔も勿体無いなと思うけど、全体的に軍隊の行進のような威圧感あるイメージの中、柔らかな曲も挟まれていてお互いを引き立てあってる。やっと平和が訪れた……みたいな 「Enigma II」 が大好き。現代プログレといっても他にはないオリジナルの音なのが凄いですね。Keith Emersonに捧げられた曲もあるけど、キーボードを派手に弾くんじゃなく、ゴージャスタイプ。Pirates辺りが好きなのかな?


(2018.11.04.Sunday)


・AFTER CRYING SHOW (2003)

「6」に続くアルバムで、ゴウジャスな音は変わってないけど、描き出す世界はまるで別物。なんつーか未来派って感じなのです。いや、未来っつっても昔の映画みたいなって意味ですが。
悪い環境、悪い治安……そんな世界で繰り広げられる物語。サイバーパンクとかそういうふうな光景が頭に浮かぶ。
ゲームで言うならスナッチャーにポリスノーツ、マイナードコロではMISS インタラクティブ ハードボイルドとか笑。そう、ハードボイルドな主人公を照らす音楽、そんな趣を感じる作品です。
クオリティは間違いなく高い。でも私には重苦しすぎて大好きにはなれない一枚です……。


(2020.1.13.Monday)


・CREATURA (2011)

「SHOW」以来長らく経っての一枚ですな。
ここ数作の豪華な音も当然聴くことができるけど、初期を思わす室内楽的な静かな部分も顔を覗かせるなど、集大成という言葉がよぎる一枚となっています。特に『DE PROFUNDIS』の頃を思わせるところが多いように感じた。
ブラスバンドがグイグイ迫って来るパートが減ったことで、私が好きな静かなメロディを多く聞けて満足!
でも一番印象に残ったのはピアノ、管楽器、ギターが抜群の疾走に乗る 「Hajsza」 。このバンドの曲でここまで爽快なの、久しぶりだよ。


(2020.1.13.Monday)

GEROTS SYNTHEZIS GROUP


・UTOLSO HABORU ・ LAST WAR (2000)

キーボード奏者のZoltan Gerotsを中心としたトリオで、個性的で面白い音を聴かせてくれます。
ミステリアスな1曲目から2曲目の調子っ外れに唸りを上げるシンセという流れだけでもうOK!(笑)。好き勝手にやってみたのが伺える暴れっぷり! でもアヴァンになりすぎずスピーディなカッコ良さがあって最高ですね。ギラギラした音色がサイレンを思わせて、逃げなきゃ……なんて焦燥感を煽られている気分にさせられたりも。全体的に暗い曲が多く、なんとなくだけどTRIADEの暗く沈み込む部分をより暗くした音、なんてね。思わぬ掘り出し物でしたわ。


(2016.01.25.Monday)

NAPOLEON BOULEVARD


・NAPOLEON BOULEVARD 1 (1987)

SOLARISのメンバーが女性ヴォーカルVincze Lillaを迎えて1985年に結成したポップスグループ。
当時のポップスだから当たり前ですけど、エレポップというのかニューウェーブというのか、そういう音楽。でも別に退屈じゃありません。独特のエキゾな空気がメンバーのソロアルバムを思わせたりするし、ごく偶にだけどフルートの乱舞もあるし、単なるポップというには面白すぎる! グッと来るメロディ満載の「Kerlek, Ne Felj」が大好き。


(2016.01.14.Thursday)

NOSTRADAMUS


・TESTAMENT (2008)

SOLARIS FUSIONが名前を変えて発表したアルバム。
ギンギンのキーボードとフルートの乱舞にああ、これぞSOLARIS!!と思ってしまう。歓喜である(笑)。かっこ良く疾走して、フルートはほんのり哀愁もあって……明らかにSOLARIS FUSIONよりレベルアップしている。そしてSOLARISそのものというわけでもない。やたらリズムがヘヴィになってるのが大きな違いなのです。ロックとしてのサウンドをSOLARISのイメージの中で追求したという感じで、バンド名の元になったのであろうSOLARISのアルバムほど、得体の知れない巨大な何かみたいな感じは無いとはいえ、これも大好きです!


(2014.04.30.Wednesday)

OMEGA


・GAMMAPOLISZ (1979)

ハンガリーの国民的バンドなんだそう。
ジャケットの印象も手伝ってSF的な雰囲気のある曲が光る。1曲目、5曲目、7曲目、8曲目辺り。特に5曲目「Hajnal A Varos Felett」はスペーシーなキーボードにちとサイケなギターがたまらないナンバー。7曲目「Ezust Eso」もイイ。ギターは泣くし、終盤のシンセソロも最高なバラードだ。それ以外の4曲は爽やかなポップスだったり、80年代がすぐそこに!なロケンローだったり笑、大仰な演劇チックさを見せつつも正直おマヌケだったりで聴くべきものはないかな。どうしても好きになれないのがヴォーカル (バラードが好きとか言っといてなんですが)。声の出し方が投げやりな感じなんだよなぁ。


(2010.11.24.Wednesday)

SOLARIS


・MARSBELI KRONIKAK (1984)

ちょっとエレクトロニックでピコピコなシンフォニック・ロックがたまらないバンド。英語タイトルは『MARTIAN CHRONICLES』、邦題は『火星年代記』ということで、スタニスワフ・レムの小説に想を得たアルバムですな。
ギター、キーボード、フルートが同じくらいの比率で使われていて、結構クドく、めまぐるしいサウンド。でもメロディーは際立っていてSF世界をバッチリ描いていますね。冒頭のシンセミュージックから、イッキに盛り上がるタイトル曲がたまりません。言う事なしの名曲! ほかにも優しく美しい5曲目「Ha Felszall A Kod」、疾走感抜群の6曲目「Apokalipszis」など、名曲揃い。とんでもないオリジナリティと完成度。こんなバンド他にはいない。何度聴いてもその良さに唸るばかり。ダメなところが全く見つかりません。超名盤! 大傑作!


(2010.12.17.Friday)


・1990 (1990)

えらく地味なジャケが気になる2枚組アルバム。
ギターの音色など、音質は大幅アップ。音楽性は変わっておらず、特にディスク1はいい曲が揃ってる。「Oz」「Eden」といったジワジワ盛り上げてくれる曲が好きだな(後者のギターソロはいろんなとこで聴く感じだけど)。雰囲気抜群の大作「Los Angeles 2026」も素晴らしい。1曲目が唐突に始まる感があるのでこの大作を先に持ってきて欲しかったとか思ったり。再発時に追加されたボーナストラックも少々蛇足かな (1985年にカセットのみで出たという『SOLARIS』からの曲らしいが?)。ディスク2は短い曲ばかりなれど珠玉のメロディーが詰まってる。自らのバンド名を冠した曲をテクノやクラシックなんかと一体化したラスト曲は爆笑モノ。印象強すぎです。


(2010.12.17.Friday)


・NOSTRADAMUS BOOK OF PROPHECIES (1999)

『ノストラダムス 預言者の本』という邦題が付けられたアルバム。
日本盤ライナーに記された曲名と実際の曲名がエラく違うのが気になる。バンド側と日本側で意思疎通できてないっぽい。さておき、ギタリストのIstvan Cziglanが亡くなってしまうなどの悲劇がありながら、その出来は素晴らしいものとなった。時節柄でしょうね、ノストラダムスがテーマになっています。大予言に怯えていたのは五島勉に騙された日本人だけじゃなかった? それはともかくとして、音楽性に変化が見られる。今までは独特の音色のシンセがSF感を出しまくっていたが、今回はシンセは控えめ、ギターとフルート、あとゲストの合唱団で重厚さを出す路線に。最初から醸し出す空気がこれまでとは違う。曲単位より、アルバム全体で一つのものとして聴くべきと思えるほど、統一感がある。テーマが一応は歴史的 (?) なものになっただけにこの変化は納得がいきますね。大傑作!


(2010.12.17.Friday)


・MARSBELI KRONIKAK II (2014)

10年ぶり以上となるスタジオ・アルバム。なんと1作目の続編である。『NOSTRADAMUS BOOK OF PROPHECIES』の後に新たなアルバムのために作曲しているという発言があり、それがようやく完成したのか、あるいはそれは頓挫し新たに作ったのが本作なのか。
唸りを上げるギンギンの音色のシンセ、哀愁に溢れていようと音は威圧感あるぶっとさ! そしてフルートも当然登場! これぞSOLARISですよ! もう頬が緩みっぱなしだ。ただ、1作目のあの研ぎ澄まされた疾走シンフォは今の彼らに望んではいけないようで、かなり幽玄な作風に変化しているかな。エキゾチックな女性スキャットなどはキーボード奏者のソロアルバムのようだし、フルート奏者のソロアルバムに近い部分もあるし、彼らの活動の軌跡がそのまま出ているといえるのかも。でも、1作目のような音じゃないとはいえ、素晴らしい作品ですよ。深さとカッコ良さと哀愁と……。特に5曲目の麗しのメロディが最高!


(2015.01.16.Friday)


・NOSTRADAMUS 2.0 - RETURNITY (2019)

かの火星年代記の続編の次はなんとノストラダムスの続編だった。
無事恐怖の1999年も越え、とっくに旬の過ぎ去ったテーマだけに予想もしてなかった。といっても今回は単純にノストラダムスの予言を取り上げるのではなく、Unborn Visionsというサブタイトルが付いていることからもわかるように氏が予言できなかった変革ってのがテーマなんだとか。曲のタイトルに日付が入っており、いずれも20世紀に起きた変革についての曲らしいが具体的にどの出来事を指すのかはよくわからなかった。公式サイトに注釈でもあるのかと思ったが繋がらない……。日本盤のライナーには詳しく書かれてるらしいですよ?(輸入盤買った……)
共作はなく、キーボード奏者による大曲、フルート奏者による小曲が二つ、ギタリストによる小品一つという構成。ダントツに凄いのが30分を超える大作で、歴史的重みすら感じさせる重厚さ、ブックレットの端々から感じられるSF要素が象徴する宇宙的唸りを持つキーボードが凌ぎあって爆走します! ギターもこれまでよりハッキリとヘヴィになってます。そのぶん、フルートは埋もれてしまったなぁ……。歌も合唱よりも独唱なので『NOSTRADAMUS BOOK OF PROPHECIES』よりは目立たなくなってしまったかな。でも瑣末なことです。超名曲ですよ! 他の曲はゆったりしたもので、大曲に圧倒されてハァハァ言ってるうちに終わってしまう。再び盛り上げてからアルバムを締めくくる、そんな曲が欲しかったかも。


(2020.06.12.Friday)


・LIVE IN LOS ANGELES (1996)

1995年のProgFestの模様を収録した2枚組ライブ・アルバム。
基本スタジオに忠実に、でもアレンジもしっかり聴ける実に良い内容。なかでも「Ha Felszall a Kod」「If The Fog Clears Away」というタイトルで瑞々しくアレンジされており、お気に入り。「Marsbeli Kronikak」がパート3からというのがあまりにも惜しまれるが、ライブでも全くスタジオに劣ることのない演奏を聴かせてくれて興奮を禁じえません! 素晴らしい! ボーナスでスタジオ音源が1曲入ってまして、亡くなったギタリストに捧げるかの激しい悲しみを感じる名曲です。SOLARISで一番好きな曲がこんなところで現れるとは。2000年の再発バージョン (ジャケはこちらのもの) にはもう1曲ブラジルでのライブが追加されています。こちらはジャム/インプロ風の曲でフルート奏者のソロアルバムからのフレーズもアリ。


(2013.11.10.Sunday)


・BACK TO THE ROOTS (OFFICIAL BOOTLEG)(2000)

アーカイブシリーズ第1弾。初期のライブ音源。第2弾の日本盤ライナーによると事前に送られてきたテープと実際に発売されたCDで全然違う音源だったとか。そのテープの詳細が気になるぞ。
何やら未発表曲もあるみたいで期待しちゃいますが、確かに初めて聴くフレーズも多いものの、彼らのスタジオ盤で聴けたフレーズもそこかしこに出てきてアレっ?て思っちゃいます。いろんなフレーズを用意して、ライブやアルバム制作のたびにそのフレーズを組み合わせて曲を作ってるってことなんでしょうか。ま、それはともかく、初期らしく演奏は荒いところがあるし、オフィシャルとはいえブートなんで音質もそれほど良くない中、彼らの音楽の良さは充分伝わってきます。哀愁と鬼気迫るかのような感じ、それなりにハードなギターとドラム、SF感演出しまくりのキーボード。もうほとんど完成しちゃってます。単なるファンアイテムじゃァないですな。


(2012.04.29.Sunday)


・NOAB (OFFICIAL BOOTLEG)(2005)

アーカイブシリーズ第2弾。
前作同様、初期のライブ音源 (異説アリ) で、後のアルバムで使われるフレーズが多々登場するのも同じ。まず20分のタイトル曲。丸々録音したテープがないとのことで、異なる日時の音源を繋ぎ合わせたものというが違和感なく、ひとつの曲として十分聴ける。フルートが、ハードなギターが、スペーシーなシンセが、せわしなくもリリシズム溢れるメロディを振り撒いてます。終盤のハモンドオルガンとかもう、素晴らしいよぉ。他の曲もラスト曲を除き前作より音質が良く、発掘音源ということを気にする必要がないアルバムに仕上がっています。異説というのはライナーに書いてあるのですが、幻のカセットアルバム『SOLARIS』と寸分違わない曲があるとかで、擬似ライブじゃないの?ってことらしい。


(2013.11.10.Sunday)


・MARTIAN CHRONICLES LIVE (2015)

2014年10月のライブの模様を収録したDVD。Best Music Event Of The Year 2014を受賞とか書いてある。
もう最高! 『LIVE IN LOS ANGELES』では中途半端な形でしか聴けなかった火星年代記が丸々見られるのですよ! さすがにコーラス参加とまではいかなかったようですが満足です。単なるライブではなく、元メンバーへの想いなどが溢れたイベントで、初期のドラマーが映像で参加していたり、亡くなったギタリストに捧げる(?)スキンヘッドおじさんのパントマイムがあったりでしみじみすればいいのか笑えばいいのか……。これはもう必見と言うしかないな。CDもありますがDVDのほうが曲が多いです。


(2016.02.10.Wednesday)

SOLARIS FUSION


・MYSTICA (2007)

SOLARISのドラマーとベーシストが往年のSOLARISの名曲と新曲を演るために結成したというバンドシングル。曲を作ったのはSOLARISとは関係のないキーボーディスト (この人が女性なのか男性なのかが気になる……写真では判別不能) で、結果的にSOLARISとはビミョーに違うのが新鮮であり、残念でもある。フルートやキンキンのシンセが超カッコイイメロディを振り撒いて疾走するあのサウンドではなく、なんかエスニック風味だったり、ニューエイジ的な空間を作ってたりと、妙にまったりしている。フルートも上手い下手はわからないけど音色が硬くてイマイチだよなぁ。SOLARISサウンド継承を謳うバンドのデビュー作としてはちょっと弱いんじゃないのってところ。とはいえ、こういうバンドの存在そのものが嬉しいわけです。なお、バンド名をNOSTRADAMUSと改め、2008年にアルバムを出してます。


(2013.12.13.Friday)

TOMPOX


・HUNGARIAN ECLECTIC (2012)

NOSTRADAMUSは長続きしなかったのか、ベーシストが新たに作ったのがこちらTOMPOX
SOLARISの音楽性を継承するというその存在意義は特に変わってないようで、フルート、ギター、電子世界を響かせるキーボードがちょっとだけエキゾチックな哀愁を振りまくあの音。NOSTRADAMUSに比べると清涼感があって疾走も控えめになったかな。ゆったりとしたフルートの旋律など聴いていると幸せになれるし、充分いい作品なんだけど、SOLARIS関連にしてはちょ〜っとパンチに欠けるかも。KING CRIMSONのカヴァーもあまりにも他の曲と違いすぎてハァッ?ってなってしまう。ボーナス的に最後に収録しとけばよかったのに。


(2015.01.27.Tuesday)


・THE DARK SIDE OF THE SUN (2013)

あまり間を置かず登場したアルバムですが、前作の色違いジャケはいただけない。
ギターがだいぶヘヴィになり、感動的でカッコイイフレーズも多くNOSTRADAMUSに近い音になった感じがある。各楽器の音がくっきり際立って前作のようなノッペリした音で無くなったのもいいやね。荘厳系の音色が多くなったキーボードや、ジャジーな要素など色々と新機軸を感じられる出来になってるのも好印象。SOLARISの継承という立ち位置から一歩踏み出したか?


(2015.01.27.Tuesday)


・REINCARNATION (2019)

またこのジャケか〜タマゴに一体なんの思い入れが?
SOLARISの流れにあるバンドだけに重要なのはフルート! なんですが今回フルート奏者が交代しており、新たに参加したのはSteve Hackettのアルバムにディジュリドゥを響かせたこともあるSara Dizna Kovacsなる女性であった。彼女は曲作りには参加していないようなので、この交代劇が響いたわけではないのだろうが、今までで一番ツマンナイアルバムになっている。SOLARISの音楽性を伝えていく……といった思想は前作以上に減衰。結果バラエティに富んではいるが地味、パッとしない、こじんまり……そんな曲が並んでしまっているのです。いろんなタイプの曲があるのに盛り上がる曲がひとつもないもんなぁ。ギタリストも交代しており、この人は結構曲を作っているのでこれが原因? うーむ、奇しくも同年にSOLARISの新作が出たわけだがあまりに大きな差を感じてしまうこととなってしまった……。


(2020.06.14.Sunday)

TORMA FERENC


・PUSZTABA KIALTOK (I CRY OUT IN THE WILDERNESS) (2011)

AFTER CRYINGのギタリストのソロ・アルバム。
音が派手になって以降のAFTER CRYINGにはあまり入れ込むことが出来ていないのですが、本作は大当たり! シャープ極まるキーボード・ロックにじっくり思索するかの管弦楽。熱くもなれば癒されもする。これですよ私が好きなAFTER CRYINGの音楽は。もちろんただ過去をなぞるのでなく、バンドでは聴けなかった音もあります。テクノな10曲目が他の曲との違いもあってかやけに新鮮でカッコイイ。クラシカルで神聖なラスト曲はまさにエンディングにピッタリで印象的。これは名作認定!


(2016.03.03.Thursday)

VEDRES CSABA


・MESEK, LEVELEK (1999)

AFTER CRYINGの初期アルバムで名を売ったキーボード奏者。公式サイトを見ると1991年からアルバムを発表しており、意外にソロ活動も長いんですね。
稀にシンセを使った曲もあるが、基本的にピアノアルバムである。ピアノアルバムかぁ、私には退屈かな? とちょっとした覚悟を持って聴き始めたが、意外にすんなり飽きずに最後まで聴くことが出来、むしろ結構好きになった自分がいます。リズム感抜群で跳ね回る曲はイージーリスニング的には聴けない。物悲しさに溢れた曲も感情の発露が半端ではなく、身動き不能なほど引き込まれる。よく言われるのがキース・エマーソンからの影響で、それは本作でもハッキリ出ている。しかし、エマーソンっぽいという感想よりも先にAFTER CRYINGでもこういう曲調だったな、という感想が出てくる。その部分はあまり下品さがないというかエマーソンっぽくはなく、当時から十分オリジナリティがあったことを示しているように感じた。


(2013.10.20.Sunday)


・LELEKTANC (2000)

ヴァイオリン兼ヴォーカルのGyerman Juliaとのアルバム。
オリジナル曲に加え、バッハやテレマン等の曲を演奏している。Vedresはここではピアノよりも教会オルガンを弾きまくっており、なかなか荘厳な感じがあります。Gyermanの艶やかなヴァイオリンと優しい歌声もイイです。でもまぁロック色は皆無だし聴いてる途中でスヤスヤ眠ってしまう。いや、退屈だからじゃない、ヒーリング的な意味で眠ってしまうんです (言い訳)。


(2014.05.31.Saturday)


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