中東 プログレ

APERCO


・THE BATTLE (2016)

2013年に結成されたイスラエルのバンド。
ゲスト扱いながら、序盤からまろやかな音色のフルートが大活躍で歓喜せずにはおれません。そんな2曲目は明日へ駆けていく希望溢れるメロディでまるでラヤダーの再来(笑)。ギターも含めCAMELみたいに聞こえる部分多し。でもラヤダーシンフォだけじゃなくて、不穏なサイケ調の部分もある。ボーカルはダルそうなタイプで、こういう曲には良く合ってるかな。どの曲も後半でグッと盛り上げるのが上手で素晴らしいよぉ。すっかりお気に入りです^^


(2018.04.23.Monday)

ATMOSPHERA


・LADY OF SHALOTT (1977, 2002)

イスラエルのZINGALE関係だったりするも、1977年当時アルバムリリースには至らなかったバンドの音源を纏めて2002年に出た2枚組。暗さのない明朗なメロディに少しハイトーンで朗々としたVoが乗っていく、いかにもYESタイプの音楽性。しかしながら、全盛期のYESのような凄味、得体のしれない壮大さみたいなのとは無縁で、こじんまりしているが人懐っこい魅力はある、あくまでフォロワーレベルという感じか。激しい展開も見られず、ちょっと曲が長すぎるかもなーダレるかもなーみたいに最初は感じた。でもよくよく聴き返すと意外と切り返しの激しい音だと気付かされる。テンポが常にゆっくりなので騙されてしまうってだけなのだ。この辺に工夫があれば見違えるような名作になったかも、と思えるだけに惜しい作品だ。とはいえYES好きなら十分聴くに値する。関連バンドやソロの曲も収録されているが、それらはダーク・ウェイブというのかチェンバー・ロックというのか、ダーク極まりない邪悪な曲となっており、ビックリしてしまう。


(2013.05.31.Friday)

KTZAT ACHERET


・KTZAT ACHERET (NO NAMES) (1975)

Shlomo Gronich (ソロ作多数あり) なるイスラエル人シンガーを中心としたプロジェクト。
ある本によると第4次中東戦争の爪痕から立ち上がるために製作されたとか。基本的にテクニカルなバックに合わせた歌物という感じ。フルートやキーボードが大活躍でちょっとボーカルを喰っちゃってるかも。仄かに中東らしさを感じさせるメロディがイイです。ノリノリロケンローが急に中東伝統音楽みたいになる曲などはさすがにヤリすぎで大好き。このへんいかにも辺境らしさが出ていてニヤケちゃいますね。歴史的なことは私にはわからないけど、カッコイイし決意みたいなのが伝わってくる気がします。


(2012.03.30.Friday)

NEMRUD


・JOURNEY OF THE SHAMAN (2010)

トルコにて2008年結成のバンド。
それぞれ3〜4パートにわかれた10分以上の曲3つで構成されており、さらにアルバムタイトルなど見りゃシャーマンの精神の旅路を描いたグニョグニョのサイケなんだろうと思い込んでたが、実際はそれほどでもなかった。虫の声や雷雨の音で自然を描き、厳粛に民族音楽風の音色が響く。Voは早くもトリップしているのか叫び気味だったり、ダウナーな語りを見せたり。ギターは体を擽られるかのような適度な泣きを見せつつ、アラビックなリフも多用。懐かしいがどこか洗練されているキーボードも良い。どの曲も大きく盛り上がることはなく、滔々と場面が移り変わっていく。ヘヴィさと静かな森のようなパートが混在しているのが魅力的です。サイケと言い切るにはかなりしっかりした音で、スーパーナチュラルな世界を見せてくれるのではという期待はややハズレ。その点はちょっとガッカリかな。でもシャーマンもマインドトリップだけでなく大地を蹴って旅をしたんだなぁなんて、よくわからない感慨に耽ったりして。アラビックな旋律を用いたロックとしての出来は中々なんじゃないでしょうか。


(2013.05.03.Friday)

SANHEDRIN


・EVER AFTER (2011)

BassとKeyの兄弟を中心としたイスラエルの5人組。
フルート奏者はKTZAT ACHERETSHESHETShem-Tov Leviである! 当然のようにフルート満載のインストサウンドを聴かせてくれます。どこか悲しみを感じるメロディがイイ。でもしっかり力強さもあるシンフォニック・ロックです。そんな魅力が凝縮されているのが2曲目の「Il Tredici」。ギターやフルートのソロが目まぐるしく登場し、悲壮的かつ前を向いて立ち向かっていく、そんなメロディ。全身を撃ちぬかれるような感覚、久々に味わったなぁ。こんなの聴かされたら即ノックアウトしてしまうわw。それくらい素敵。個人的に好きな曲TOP10に入るかも。アルバム中盤はややジャズ・ロック寄りの軽快さが目立ち、胸に来るメロディは少ないけどダレた感じはないし、これは名作!!


(2012.12.19.Wednesday)

SHESHET


・SHESHET (1977)

個人的に大好きなフルート奏者のShem-Tov Leviを中心としたバンド。
名盤として有名だそうで、実際見事な演奏が詰まってはいるんだけどなんだか随分トロピカル……。聞いてて楽しい気分にはなるんだけど明るすぎてあんまり心に響かなかった。とても垢抜けたジャズ系のロックで高クオリティを疑う余地はないんですけど。歌モノを挟んで後半からはトロピカル要素が減じるんでフルートを中心にまぁまぁ楽しめました。Shem-Tov Leviのフルートは流麗で素晴らしいな!


(2020.11.02.Monday)


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