多国籍 プログレ

ECLIPSE SOL-AIR


・BARTOK'S CRISIS (2011)

ドイツ人とフランス人の混成バンドらしい。これが2作目。このバンドの魅力はフルート、ヴァイオリンなどアコースティックの響き。そこにポロンポロンとキーボードが乗ってくるともう、ノスタルジー効果抜群ですw。女性Voはやわらかでフワフワした声からロックらしく張り上げたりと活躍。やわらかい声のが好きだな。男性Voはダミ声で呟くように歌ったりとテアトリカル系。一番気に入ったのは6曲目の「Die Rumanen」かな。この曲のクラシカルで物悲しいピアノを聴いていると、コンサート会場が腐海に飲まれたみたいなジャケの効果もあって一人荒野に取り残されたような気分にさせられるw。気になるのがギターが凄くヘヴィでソリッドで、少々耳につくかもなってこと。ギターが出しゃばる部分はゴシックとは言わんにせよメタル系にフツーに居そうな感じで目新しくないし。叙情パートを引き立てるような使い方なら良かったんですけど、単にジャーン!と鳴らすだけじゃツマラナイな。やはり聴きどころはアコースティック楽器の叙情溢れるメロディでしょう。


(2013.01.10.Thursday)

GONG


・FLYING TEAPOT (1973)

ジャズロックサイケスペース系? 結構有名なバンドですよね。コレは多分4作目 (ディスコグラフィーややこしくて…)。オーストラリア人がフランスで結成してイギリスで活動したバンド…らしい。故に多国籍なバンドとのこと。で、中心人物のDaevid Alenて人はその生い立ちからしてアートで活動家で思想家でっていうまさにドラッグと切っても切れない人のよう (もうやってないらしいが)。その風貌がもう、ニューエイジ宗教家、詐欺師、コメディアン・・・そんな形容しか思い浮かばない胡散臭さ満点で、その音楽はきっとオチャラケたもんだろうと思ってたんですが、聴いてみるとそんなことはないのであったw。今尚続く連作RADIO GNOME INVISIBLEの第1弾だそう。つっても大げさなもんでもなく、サックスが聴こえてきたりするジャズロックにサイケ効果音や女性スキャット (コレがなんとも妖しくて、スペースウィスパーっていうらしい) を合わせたって感じの構えなくてもフツーにプログレとして聴くことの出来る音楽。まぁ、アレンの風貌通りのバカっぽい部分もあるけど。効果音の使い方なんかは現代のスペースロックバンドに大きく影響与えてるみたい (たぶんHAWKWIND以上か!?)。でも名作まではいってないと思う。


(2012.03.20.Tuesday)


・ANGEL'S EGG (1973)

5作目。RADIO GNOME INVISIBLEの第2弾。音楽的には前作とあまり変わらないが、バカっぽさはやや減り、精神世界的な部分に踏み込んできている感じを受けます。女性ボーカルの背後で鳴るサックスのメロディとか実にいい感じのメロディアスさです。でもそのメロディは怪しげな部分もあり、それがいいのですw 流れのいいアルバムになっていて前作よりはこっちでしょう! トリップ度もだいぶアップしてますね。


(2012.03.20.Tuesday)


・YOU (1974)

6作目。RADIO GNOME INVISIBLEの第3弾。コレはイイですな。出だしから前作までとは違う大物感が漂っている。コミカルな映画音楽風、軽めのドローン等これまでには無かった部分の出来がなかなかイイ。メインとなるスペーシーなジャズロックも前作までとはひと味違うシャープさが出てきた。特に7曲目の「Isle of Everywhere」はその後のスペースロックバンドの多くに受け継がれた要素大! これは名作だと思うなぁ。


(2012.03.20.Tuesday)

STORM CORROSION


・STORM CORROSION (2012)

OPETHMikael Akerfeldt (G, Vo) とPORCUPINE TREESteven Wilson (Key,Vo) によるプロジェクト。不吉で暗鬱な、でも美しい見事な幽玄サイケ。メロトロンやアコースティックギターなどが絶妙に絡んでまるで霧がかかって晴れない世界にいるかのような気分になります。でもラスト曲では理想郷に辿り着いたかのごとく、いい気分にさせてくれます。ここにはヘヴィな音を出す物は一切無い。何にも惑わされず、自分たちがここでやりたい音にとって必要なもの、不必要なものがよくわかっているんだろう。この静謐に覚醒していく様はドイツのEMTIDIなど思い出したね。サイケ好きのみならず、90年代以降の北欧プログレ辺りが好きな人は必聴!


(2012.05.25.Friday)

THE TANGENT


・THE MUSIC THAT DIED ALONE (2003)

PARALLEL OR 90 DEGREESTHE FLOWER KINGSのメンバーによるプロジェクト。1作目。一点の曇りもないようなハキハキしたプログレ。テクニックがしっかりしていて、でも難しくなくて、流石という出来栄えです。次々迫ってくるコーラスにギターにハモンドにサックス (吹いているのはVAN DER GRAAF GENERATORDavid Jackson)。爽快極まりないわけですが、引く所はしっかり引いて大人のシンフォな感じを出したりと余裕を感じさせる。カンタベリー曲もあるけど湿り気は抑え目で歯切れがいい(ジャジーで瑞々しいピアノが聴き所)。とびきりポップな曲もあります。全てが高度に纏まっている名品!


(2013.02.07.Thursday)


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