BIJELO DUGME
・KAD BI BIO BIJELO DUGME (1974)
ユーゴ (ボスニア) のハードロック系の中でも高知名度なバンドだそう。
1曲目のタイトル曲が素晴らしい。ヤケクソ気味のオルガンが仄暗いクラシカルさを纏って疾走! コレはカッコイイ。ところがその先4曲目まではブルースだったりゴーゴーロケンローだったりで聴くに耐えない、なんとも美しくない、美学が感じられない (戯言です)。しかし、5曲目「Selma」はイイ。オルガンを使ったバラードって感じで、音痴とか云々超越した熱いヴォーカルもタマラン。沁みる。いやぁ1曲目だけで終わらなくてヨカッタ。
(2012.04.02.Monday)
BLUE EFFECT & JAZZ Q PRAHA
・CONIUNCTIO (1970)
度々名前を変えつつもチェコを代表するプログレバンドの一つとして知られるBLUE EFFECTとジャズコンボのコラボ作。
ジャズ系は苦手なんですが、今作は大当たり! 私の苦手な大人なジャズ要素は一切なく、ロック部分もジャズ部分もテンション漲る超熱いもの。結構アバンギャルドな香りすらするハードロックに激しくも美しいピアノ (ジャジーだけどクラシック要素も強いかも)、そしてフルートですよ! このフルートがホントに良くてねぇ。一曲目の途中で聞ける長閑かつちょっと不気味な旋律なんて洋ゲーRPGの田舎の村でかけてほしい(笑)。これは名作!!
(2020.07.09.Thursday)
FROMUZ
・OVERLOOK (2008)
ウズベキスタンから来たってことでフロム・ウズと読むらしい。ヘヴィでジャジーでシンフォニックでもあり、KING CRIMSON的ギターから一気に民族音楽調になったりして、嬉しかったりズッコケそうだったり。変態な感じがたまりません。どの曲も長く、プログレ・メタルばりのギターパートから一転静謐なキーボード、そして民族調と、コロコロ移り変わっていく。節操ないがカッコイイと思える部分多し。1番魅力的なのはやはり静のパートだね。ヘヴィさとの対比もあって美しいです。一方ヘヴィパートはカッコイイところもあるものの長く続くと個人的にはちとしんどい。ところでこのバンド、元X RELIGEONのメンバーもいますが、だいぶ音楽性は違いますね。
(2012.03.22.Monday)
FSB
・SINGLES COLLECTION (2003)
ブルガリアのベテランバンド、FSB (向こうの言葉ではФСБ) はFormation Studio Balkantonの略だそうで、要はそのスタジオで働いているミュージシャンで結成されたということらしい。本作は1975年から1991年までのシングル曲を17曲収録したコンピ。
プログレ好きとして注目すべきはPFMのカヴァーを2曲もやっているという点。ちょっとマヌケかなーと思う音ではあるものの、本来歌のパートであった所を笛のような音だけでアレンジして妙に哀愁を出していたりとイイ感じのカヴァーです。他の曲はプログレというよりは落ち着いたロック/ポップで、年代的なこともあってバブリーな曲が多いですな。あの時代の音楽は全く趣味ではありませんが、あんまり浮かれている感もなかったし別に悪いとも思わなかったかな。
(2015.06.01.Monday)
IGOR GARSNEK
・LOOMADE FARM (1986)
エストニアのミュージシャンで、RUJAのキーボード奏者のアルバム。IGOR GARSNEK-ANSAMBEL..DATA名義。
George Orwellの動物農場をテーマにした作品で、音楽的にはストレートでポップなプログレとなっている。やたら明るさが目立つものの、キーボードの容赦無い弾きっぷりは軽めの音色とはいえ胸アツ。トータル感ある構成も見事な逸品です。男臭さ溢れると同時に癖が強すぎるとも感じるヴォーカルはRUJAのUrmas Alender。
(2014.03.02.Sunday)
IN SPE
・IN SPE (1983)
エストニアで1979年に結成されたバンド。
あらゆる楽器が冷たさを感じる音色で、キラキラと輝く雪の結晶に彩られた雪国の風景が脳裏に浮かぶねぇ。その分メロディは暖炉のように温かみがあって沁みる。リコーダーやフルートがメインを張り、叙情的なフレーズを連発。さらにここぞでキーボードが派手に唸る! ガッツポーズ。男臭いぶっきらぼうなVoも味があって嫌いじゃないな。良作!
(2013.02.06.Wednesday)
JOY OF NATURE
・AGKAANTA, ASRTI, PARASAMGATE (2008)
Luis Coutoなるポルトガル人のプロジェクトの模様。
一応フォーク系になるんだろうけど、暗く、妖しく、でもファンタジックというそんな塩梅。基本闇の勢力を称える音。めちゃダークでいいわぁ。時折夜ってイメージのほんわかした曲が挟まるので耳を引くかな。ほんわかっつっても夜なので暖かくはないけど。オブリビオンとかさ、海外RPGのダンジョンなんかで使われていても違和感無さそうな不気味な曲が詰まったアルバムでした。
(2013.02.12.Tuesday)
MYTHIC SUNSHIP
・Land Between Rivers (2017)
コペンハーゲンの4人組。
全3曲のサイケデリック・ロック絵巻。もちろん大曲アリ。キーボードやシンセ担当はいないけど、ギターがズルズルヘヴィな音から浮遊感ある音まで演出して不気味な世界を展開。ゆったりとしたテンポで繰り広げられる荒廃した音はどうしようもなくサイケでスキモノにはたまらんだろうし私も好きだけど、正直コレといった個性なんかは無い感じかな。
(2019.01.28.Monday)
QUANTUM FANTAY
・BRIGDES OF KUKURIKU (2010)
ベルギーのサイケデリック/スペースロック系バンド。
1つ1つのフレーズがすごくカッコイイシャキッとしたスペースロックサウンドに美しい異国情緒な旋律が乗って、まるで砂漠で蜃気楼を見たような、ラクダとともに旅をしているような、そんな感覚になってくる。電子音の中、溢れる情緒。これはスゴイ! OZRIC TENTACLESタイプではあるんだろうけど、しっかりオリジナリティを醸す名盤!!
(2011.05.15.Sunday)
SATURNIA
・SATURNIA (1999)
こちらはファーストアルバム。
後のアルバムに比べ電子音なんかは控えめで派手さがない。でも、美しく心理の奥底まで沈んでいくような、ひたすら聴いてて気持ちいい音です。能動的に何かしようなんて時にはまるで向かない(笑)。 「Sculptress Sublime」 という曲だけは激しいです。ピアノを中心に、気が狂ってるとしか思えない芸術爆発曲でこれはこれで好き。
(2019.09.26.Thursday)
・ALPHA OMEGA ALPHA (2012)
Luis Simoesなるポルトガルのマルチプレイヤーのプロジェクト。
延々ノイズの如きスペースシンセが鳴り響き、そこにフルートやキーボードや冷めたヴォーカルが乗っていく。東洋〜中近東嗜好もあるし、まるで宇宙の理を知って悟ってしまったかのごとき神秘的でとてもいい音出してます。ぶっちゃけスペーシーさを剥ぎ取ればそこそこメランコリックな雰囲気シンフォって感じだと思うけど、抑制しないスペーシーさが加わることで不健康極まるサウンドになっているのがこのバンドの特徴でしょうかね。今回は2枚組なのでたっぷり堪能できます。傑作です!
(2012.06.26.Tuesday)
SILENT UNIVERSE
・THE INFINITY COORDINATES (2017)
Pavel Malyshkinなる人物のプロジェクトの模様。彼はPOLTERNGEISTというプロジェクトもやっているそうです。
シネマティック・ダーク・アンビエントを標榜するCryo Chamberレーベルからのリリースということで、アンビエントというかドローンみたいな感じ。どの曲もブ〜ンヌ〜ンなんて音がずっと響いてて変化が無い。思わず瞑想してしまうけど、頭の中がゴミで一杯になるというか、モヤがかかってしまうというか、とにかく気持ち悪い感覚になる。どこら辺がシネマティック? 正直ツライし何度も聞くようなモンでもないと思ってしまったけど、このテの音楽はこういうものなんだろうなぁ。
(2018.11.06.Tuesday)
SUPPER'S READY
・LISTEN TO THE PICTURES (2000)
ルクセンブルクのバンドで、本アルバムの前にリリースされたプロモ用CDが大きな評判を呼んだのだという。音源が同一かはわからないけれど、プロモに収録された曲もアルバムに収められている。
プログレでこのバンド名だと、問答無用でGENESISタイプなんだろうと思うし正直そういうのを期待してた。実際には案外違う音が流れてきて驚く。ピーター・ガブリエルとは全く違う落ち着き払ったボーカルなのだ。ギターは憂いあるメロディアスさで曲を引っ張り、キーボードは軽めの修飾に徹する。とにかく騒がない大人な落ち着いたシンフォで、でも枯れない瑞々しさもあって独特で良い! ラスト曲のギターとサックスの優しい語り合いに感動しました。
(2020.06.19.Friday)