ロシア プログレ

QUORUM


・KLUBKIN'S VOYAGE (2011)

レトロ系シンフォ?
今風の音色を使わない如何にもな70年代回帰型シンフォ。基本明るくポジティブ。爽やかやねぇ。私にはちょっと明るすぎてダメだな。特に序盤はその傾向強し。曲調は幅広いながら、1つのアルバムとして纏まってはいる。音色も豊富。でもなんか足りないんだよね。豊富な音色に反して地味な曲が多いというか。ヴォーカルもハッキリ言って弱いし。とはいえ耳を惹く曲もあります。眩いキーボード & エキゾメロディ炸裂の10曲目「Klubkin's Voyage Part Two」、じっくりと胸に響くメロディを紡いでゆく14曲目「So Tired」あたりは名曲レベル。アルバム全体がこのクラスならお気に入りだったのに。とてもA級とはいえないけど、平均レベルは超えている。あと一歩!って感じの一品でした。


(2012.04.02.Monday)

RADA & TERNOVNIK


・MY LOVE, MY SORROW (1998)

オペラの経験もあるという女性Voを中心としたバンド。ロシア語ではРАДА И ТЕРНОВНИКと表記するらしい。
Progfolk系に分類しているサイトもあるが、アヴァンギャルド寄りゴシック系歌モノといったところか。胎動する音と、怖さや狂気と美しさを兼ね備えたヴォーカリゼーション。バックはリズムとあと一つ二つ何かが鳴っているだけのシンプルなもの。ただ、邪悪とか儀式的といった雰囲気よりも現代的な冷めた音楽。どんなに大仰に歌っても感情は感じられず冷徹だ。結構癖になる音楽かも。


(2013.09.15.Sunday)

THE RE-STONED


・ANALOG (2011)

モスクワのバンド、2作目のアルバム。
ギター、ベース、ドラムのシンプルなインスト作で、レトロな感覚が全体に漂う。ドゥームやストーナーといった言葉も思い浮かぶが、地を這うようなヘヴィさはない。ギターは遅くジトジトしていたり、あまりにレトロなブルージーさも度々登場するが、そこまで汗臭くないのでまだ聴ける方かな。そこにちょっとしたサイケデリックな演出が絡むのが面白いところ。特にラストの「Dreams Of Vodyanoy」は夢うつつな感じのあるサイケで一番気に入ったかな。


(2013.09.18.Wednesday)

ROZ VITALIS


・COMPASSIONIZER (2007)

5作目。リーダーであるIvan Rozmainskyによるマルチ録音を基本に、ギターとクラリネット奏者が参加。以前聴いた『PATIENCE OF HOPE』に比べ随分とアヴァンギャルドな作風で、Rock In Oppositionな感じが多少あるか? もちろん美しいクラシカルな要素もしっかりあるし、今作もなかなか良いな。KING CRIMSONみたいに聴こえる部分もある。「Matte Kudasai」にヒントを得た「Wakatte Kudasai」なんて曲もあるぞ(笑)


(2014.11.15.Saturday)


・PATIENCE OF HOPE (2012)

2001年に活動を開始したというバンドの多分7枚目のスタジオ作。
チェロやらバスーンやらまで参加しての室内楽的な雰囲気が強い作品。チェンバー・ロックという程アヴァンな香りはなく、美しいメロディありきな感じを受ける。ただ美しいだけでなく、ピリッと効いたひねくれ具合がイイカンジで、KING CRIMSON・・・というよりAFTER CRYING辺りを想起する。ゴージャスな音もモロにそんな感じ。でもクラシカルなメロディの出来はAFTER CRYING以上! 注目に値するバンドだ。


(2014.01.09.Thursday)

VESPERO


・RITO (2007)

サイケデリック系? 1作目。
まずジャケがイイ。月と太陽で錬金術だぜウロボロスだぜ。やっぱサイケはオカルトと結びついてないと威厳も出ませんよね。冗談はともかく、サイケの中でもお気に入りのアルバムです。ロック色は十分。だけど空間をたゆたうような部分も多くて、聴き手の意識も結構もってかれますが、ヘヴィな音で精神が押しつぶされるような感じより、心地良く音の中を漂える感じだ。1曲目から2曲目へ移るとこなんか別の時空へ突入するかのよう。演奏自体は緊張感もあって、単にダラダラするだけがサイケ流空間演出じゃないぞって感じ。アコースティック楽器 (ヴァイオリン、フルート) や女性ヴォーカルの使い方もイイ。色々と気持ちいい音をお探しの方へ、オススメです。


(2010.12.18.Saturday)


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