AIN SOPH
・A STORY OF MYSTERIOUS FOREST (1980)
『妖精の森』というのが日本語タイトル。
基本はジャズ・ロックだが、滲み出る高き気品や情感は見事で、あまりこの手の音にのめり込めない私も夢中で聴けてしまう。タイトル曲はPINK FLOYD辺りの影響がありそジャズ要素よりも幻想性なんかを大事にした名曲。しかしながら序盤の大部分を占めるジャズ・ロック曲との違和感はなく、アルバム全体で統一された空気がある。まぁ録音時は解散寸前だったらしいけど、とてもそうは思えないな。ヴィチェスラフ・カレル・マシェクなる画家によるジャケットもよく似あってます。
(2014.11.05.Wednesday)
ASTURIAS
・CIRCLE IN THE FOREST (1988)
マルチプレイヤーの大山曜によるバンド
冷たさを感じる音色で紡がれるファンタジックな音楽。まったりと聴けるシンフォであり、多少軽めの音はイージー・リスニング風でもある。目を閉じれば魅力的で少し不思議なナウシカの如き世界が浮かんでくるように感じました。
お気に入りは1曲目の 「流氷」 、5曲目の 「サークル・イン・ザ・フォレスト」 。
(2016.04.20.Wednesday)
CICHLA TEMENSIS
・ANOTHER TRIANGLE (2008)
2006年結成だというバンド。6曲20分ほどのミニアルバム。
帯には「独自なブリティッシュ系サウンドを聴かせるフルート・ロック・バンド」と書かれているが、ブリティッシュ云々抜きにしてSOLARISっぽいという感想を持ってしまうほどフルートメインのサウンド。脅迫してくるような旋律、かと思えばやさしい世界を描いたりする。そしてちょっと洒落た感じがある。嫌味にならない程度にジャズっぽいといえるのかも。シンプルで、ちょっと洒落たSOLARIS。うん、とってもイイ!
(2014.04.14.Monday)
・AFFINE SPACE (2009)
これまたミニアルバム。
フルートの流麗さなど、演奏のキレが増している。ジャジーさ、穏やかさなども前作より大きく出ており、なんとなくSOLARISっぽくなくなっちゃったけど、音楽としての出来は本作のほうが良いと思う。あーSOLARISっぽいなーと思う曲も少し残っており、それらはハッキリとロックらしさを増しているので、アルバム全体のメリハリがすごく出ているのだ。
(2014.04.14.Monday)
難波弘之
・CHILDSHOOD'S END 幼年期の終り (2013)
SF作家でもあるというミュージシャン。SF & 宇宙をテーマにしているということで、ウルトラQやSF映画の音楽のカヴァーなどを含む。もともとこの人はキーボード・ロックをやろうともELPみたいに暴れることをせず、しっかり抑えた演奏が特徴で、本作もそれは変わってない。その中に度々ELPからの借用が聴こえてくるが、お寒くならない絶妙のバランス感覚。思わず嬉しくなりますね。よく賛否別れる歌モノもノーテンキでしょうもない歌だなぁ、後半の怒涛の演奏はいいけどとか思う曲も気付けばその歌を口ずさんでしまう中毒性があって結構好きかも。どこか子供らしさの残る歌声もギリギリアリかな。全体として、無邪気だけどしっかり大人な作品に仕上がっている感じです。パーマー・エルドリッチクラスの名曲が無いのが唯一残念なところかな。
(2013.12.04.Wednesday)