アメリカ プログレ

A HELMET OF GNATS


・HIGH STREET (2010)

ジャズロック系のバンドってことでいいのかな。
表面上はいかにもなジャズロックだけど、シンフォファンを振り向かすものもある (元々はプログレのコピーバンドだったとか)。メロディやドラマ性なんかをあまり考えないタイプと思いきや、そうではないと思わせる部分があってちょっとニヤけたり。1,2曲目は正直大したことない。出だしと終わりはいい感じだけど途中はあんまり特徴のないジャズロック。ある程度カッコイイのは間違いないんだが・・・もっとカッコヨサや幻想成分がほしいぜ。だが3曲目「Dozer」からは耳を離せないぞ。1,2曲目と同じような曲だが、断然勢いがあってカッコイイ! 抜群! そして、30分にも及ぶ4曲目 (タイトル曲) が始まる……。これがホント良く出来てます。10分すぎてもかなりPROG色強いぞ。ほの暗い幻想……こりゃエエわ。この曲を聴けただけでも十分よ。


(2011.02.04.Friday)

ANALOG MISSIONARY


・VOYAGE OF THE DEMETER (2004)

Anstromという女性ヴォーカルを中心に、1998年に結成されたアラバマ出身のバンド。
無声映画ノスフェラトゥのための作品とのことで、ダーク・アンビエントというのか雰囲気系ゴシックというのか、クラシカルかつ不気味なサウンドを中心に、時折ヘヴィなギターなども顔を出すという作風。気の狂ったようなコーラスも聴け、まさに主人公達の敵!な曲が揃ってます。そういう意味ではアルバム序盤のノスタルジックさを振り撒くファンタジー系RPGの音楽みたいのは異彩を放ってるかも (正直このタイプのほうが好き笑)。スウェーデンのARCANA辺りを思わせるサウンドともいえるので、そのテの人も是非。


(2013.09.28.Saturday)

ARABESQUE


・TALES OF POWER (2002)

1970年代に活動するも、アルバム発表はできなかったというバンドの発掘音源集。
エレガントさと暴力性がせめぎ合うややテクニカルでちょっとジャジーさもあるシンフォニック・ロック。次々繰り出されるキーボードを中心とした目の覚める演奏はしっかりと印象に残るオリジナリティを有する見事な出来。ウニョウニョとした混沌パートでも疾走感を失わず、暗くもならず陽光差すようなサウンドになっているのも特徴か。音質はイマイチだが、満足感高し!


(2014.02.12.Wednesday)

AVALON USA


・FIVE OF THE BEST (2000)

これが彼らの1stアルバムと思われる。マイナーバンドなんで入手は難しいだろうと思いきやAmazonでお安くダウンロード出来ました。便利な時代だ……。
いい意味でポップなシンフォで、耳馴染みの良い歌メロを堪能できる。一方でギターやキーボードはメロディアスで高揚感溢れるフレーズを連発。すっごい魅力的です。ヴォーカルはYES的なんだが若干爬虫類っぽい歌声なんで好みが分かれるかも。音質もイマイチでB級臭さがあるのは否めないが、個人的に好感度は高いです。アルバム後半はライブ音源の模様。


(2014.10.22.Wednesday)


・ONCE STOOD A BAND - THE STUDIO SESSIONS (2007)

全然知らないけど安かったので拾ってみた。’89年結成 (確信ナシ) のバンドで、本作以前に2枚作品を出しているみたい。
タイトル通りスタジオセッションで、そのためか音質は篭り気味でよろしくない。しかしながらVoはしっかり歌いあげるし、ギターはメロディ使いがよく、キーボードアレンジもセンスがイイ。アメリカンでちょっぴりハードなYESって感じかなぁ。とにかくVoの堂々たる歌いっぷりが素晴らしい。全体が一つになって目の覚めるような爽快な展開も度々聴ける。ちょっと一本調子かなと思ってたら切ないアコギが聴こえてきてウルウルしたりもw。ユートピア的というか、平和な響きが多いのも気に入りました。けして安かったから満足ってわけじゃなく、他の作品も聴いてみたくなるに十分な出来でした。


(2013.01.26.Saturday)

BABYLON


・BABYLON (1978)

GENESISタイプシンフォなバンド。スタジオ盤としては唯一の作品。ジャケのリトルグレイがなんとも…… (オリジナルLPでは人間だったみたい)。もうね、昔矢追純一の番組に戦慄したのが原因なのか未だに異星人と遭遇する夢をみる (めっちゃ怖いっての) 自分には勘弁してほしいわ……。SEPTIC FLESHとかHYPOCRISYとかもさぁ……まぁいいや。
ヴォーカルを筆頭に絵に書いたようなGENESISフォロワーですな。ダークな感じもちょっとはありつつ、明快さが大半を占めている辺りもGENESISっぽいか? コロコロと表情を変える2曲目「Before The Fall」が特にお気に入りです。ふにゃふにゃした感じからミステリアスな雰囲気に移行するトコとか最高ですな。細かい演奏とグッとくるメロディ、ヴォーカルが上手く組み合わさった4曲目「Cathedral Of The Mary Ruin」もイイ。こりゃ十分な佳作でしょ。


(2011.02.04.Friday)

CARLTON MELTON


・COUNTRY WAYS (2011)

2008年に結成されたらしいサイケデリック系のバンド。
ヘヴィさは殆ど無く、シンセは一部の曲でのみ大々的に使う感じで、ヘヴンリーでアトモスフェリックなムードを主にギターが表出。しかしながら美しい……と思うよりも先にアブない世界だなぁという感想が出てくるだけのサイケらしさは十分ある。2曲目のように東洋サイケな曲もあって、このバンドならではって個性は感じられないけど個人的趣味にはすごく合った。全体的にロックというよりはアンビエントでちょっとノイズもあって……みたいな作品。ボーナス曲は真っ当なサイケ・ロック。


(2013.12.26.Thursday)

CARLTON WALKER


・AVERY A ROCK OPERA
ABOUT A GUY WHO WRITES A ROCK OPERA (2007)

ヴォーカル、ベース、キーボードにフルートまでこなす人物の作品。
FLOWER KINGS辺りに同調したかのようなメジャー感あるイマドキのシンフォニック・ロックを目指すも、少々力量不足だったってところか。いまいち突き抜けることが出来ていないB級臭さが悪い意味で出ていると感じちゃいました。ノーテンキで陽気な部分が個性といえば個性か? ヴァイオリンなどで奏でる静の部分のメロディは結構イイ感じ。


(2014.06.29.Sunday)

COSMIC SINGULARITY


・FIRST STEPS (2009)

ハードなギターと派手なキーボード、ノリノリで勢いあるヴォーカルによるプログレバンド。かなりハード/メタル系に聴こえる部分もあるんだけど、キーボードの音色がSF的でハモンドの音色一つとってもサイバーでノイジーな響きがある。そしてそれを活かした曲作りがしっかり出来ていることに思わず感心。ミドルテンポながら派手にキーボードが舞う、でも一聴する限りだと淡々として地味と感じられる曲も聴きこむとその世界に入り込んでしまうような深さがある気がする。高クオリティな現代プログレだと思いマス。


(2013.11.27.Wednesday)

CUL DE SAC


・ECIM (1991)

ポスト・ロック系……ともされるようだが実際はサイケデリックという方がシックリ来るサウンドのバンド。
全体にキチガイじみたサイケエフェクト満載。でもスペーシーという感じではなく、カラッと乾いたサイケサウンド。腹にズンズン響くベースが聴き手を熱くしてくれる。インチキ臭いアラビックな曲あり、どこか和っぽいメロディがヒョロヒョロ出てくる曲ありで、とっても楽しい。自由奔放にやってみたってのが伝わってきてイイですねぇ。シリアスに内面を見つめるというわけでなく、底抜けに明るいわけでもないけど、脳天気にトリップ出来る逸品です。


(2013.04.30.Monday)


・CRASHES TO LIGHT, MINUTES TO ITS FALL (1999)

今作も機械的な冷たい音ではなく、アナログな温かみのある音。ギミックに溢れつつ、ヘヴィさ皆無で適度にメロディアスなサイケといったところか。1stに比べるとややシリアスでじっくりと内的な世界を描く曲が増えたかな。といっても思い詰めた様子もなく、ボヘミアンな感じというか、軽く淡いメロディが浮遊感と合わさって独特の心地よさを味あわせてくれます。個人的には『ECIM』よりこっちの方が好きかな。


(2013.04.30.Monday)

D'ARCANA


・AS WORLDS THEY RISE & FALL (2005)

マルチ奏者のJay Tausigのプロジェクト。
YESを始めとしてKING CRIMSONやGENESISの影響も所々見える作風。でも音色がいちいちサイケで面白いのが特徴かな。Voは声は似ていないが明らかにYESを意識。歌物が多いが、ヘヴィなうねりを持つパートと静かなパートが鮮やかに対比されていたり、冷たいKeyが絶望感を漂わせたりと細部が凝っているのが特徴でなかなかイイ。中でもラストのタイトル曲は現代的なシンフォにサイケ色を織り込んだ独特の幻想性にウットリしてしまう名曲。でも、それほど気に入った程では無いなぁ。


(2013.09.04.Wednesday)


・PREMONITIONS (2007)

こちらは2枚組の大作。
やはりVoが主体だけど、前作に比べ面白い部分が減ったな。少し洗練されたと言えるのかもしれないけど、独特の神秘主義めいたスペーシー感覚なんかはあまり感じられなくなってしまった。訴えかけてくるものがない曲ばかり。歌物としても、サイケとしてもシンフォとしてもあまり楽しめない中途半端さが出てしまっているような……。ラストの大曲後半のサイケでアヴァン、かつファンタジックな展開は聴き所。でも2枚組の内、そこだけじゃなぁ……。


(2013.09.04.Wednesday)

DEADWOOD FOREST


・MELLODRAMATIC (2000)

オースティン出身の4人組。広告や雑誌のレビューページに載ったジャケットはもっと白い色してて謎だったりするんだけど (あと、スペルは違えどカート・コバーンというメンバーがいるのも面白いかも)、そのサウンドはメロトロンやハモンドオルガンの古めかしい音を中心にヘヴィなギターやリズム、かなり欝なヴォーカルが入ってくるというもので、ANEKDOTENをメロディアスにしたみたいな感じかな。軽やかなフォークっぽさもある。ヴォーカルはブツブツ言ってたり声荒げたりで精神不安定でコワイ笑。全体的にレベルの高い曲が多い好作品だと思います。牧歌的かつ雄大な広がりがある 「Dry」 が特に好き。


(2019.04.21.Sunday)

ECCENTRIC ORBIT


・ATTACK OF THE MARTIANS (2004)

『火星人の襲撃』という邦題が付けられたシンフォニック系のバンド。
メロトロンや唸るベースが大活躍のサウンド。かなり暗鬱な部分もあるんだけど決して重すぎることはない。早く暗黒から抜け出したい……とか思ってると怒涛の展開を見せたりと聴き手の心理をよくわかった構成になってて見事ですね。暗さの中、輝くメロディ。一見時間稼ぎのようなたゆたう空間シンフォ部分もよく聴くと妙に凝ってたりする。もうちょい演奏に勢いが欲しいと思わなくもないけど、好作でしょう! 人類を騙す気満々のオモチャの火星人ジャケも面白いかもね。2曲目のイントロ、どっかで聴いたなーと思ったらCORTE DEI MIRACOLIの1曲目でした。なんかそっくり!


(2012.10.03.Wednesday)

ECHOLYN


・COWBOY POEMS FREE (2000)

テクニカルなバンドという前評判を聞いてガチャガチャと細かい音鳴らしてるだけなんじゃ、と尻込みしてたんだけど、聴いてみると実にイイ!
プログレとしての魅力、アメリカンな透き通るようなロックらしさ。これらのバランスが絶妙。プログレ成分よりも爽やかロック成分が多い曲もあるけど、これはこれでカッコイイし欠点になっていない。でもやっぱりじっくり系の曲のほうが魅力を感じるけど。独特の浮遊感あるバラードなんかすごく好きです。テクニカルにせよ、それに頼ってない感じが好印象。いい作品だな。


(2012.07.06.Friday)

EPIGNOSIS


・STILL THE WATERS (2009)

Robert W. Brown Jr.なる人物によるプロジェクト。
ドンクサイ系のシンフォだけど、ほんのり現代的な音空間をまぶしておりなかなか個性的。冷たい音色が印象的ですね。メロディアスな (でもイモクサイ) ギターが聴こえてきたり、嘆きを表現したかの怖い音もあったり、ゆったりと移り変わっていくようで実は劇的という曲調がいい。叙情性に溢れるも、湿り気がないのはアメリカンな感じか?。幻想的でも、浮かぶのはファンタジーではなく現実。本作の持つどこか不可思議な雰囲気に浸れる人は絶対いるはずだし宝物となりうる作品かと。


(2013.04.14.Sunday)

ESTRADASPHERE


・THE SILENT ELK OF YESTERDAY (2001)

1998年にサンタクルーズで結成されたバンドとのこと。
大部分をライブ音源が占める変則的なアルバムで、聞こえてくる音楽がとにかくオカシイ。1曲目がボーカル含めほぼほぼブラックメタルで、その妖しくも美しい疾走や女性の少し不気味な声など素直にカッコイイ曲なんですが……アレ? プログレちゃうの?ってなっちゃいました。勝手にテクニカル系のプログレだと思い込んで買っちゃってたんです。で、大問題が2曲目! ファミコンの音ですよマリオが泳いだりファイヤーボール投げる音が使われてますよ。短い曲ではありますが1曲目との落差は椅子から転げ落ちるどころではない笑。ライブの方もしっとりジャズや楽しげな管楽器が奏でてると思いきやゴリゴリのギターが鳴り出したりとやりたい放題。無理矢理でも変化を求めずにはいられない……そんな人達なんでしょうかね。変態なのか天才なのかバカなのか、とにかく聞いてて楽しい逸品! 同じ様なのが続くと退屈って気分の時に。


(2018.04.19.Thursday)

ETHOS


・ARDOUR (1975)

もともとはATLANTISと名乗っていたバンドで、ジャケットの地球にアトランティスが描かれてるのでは? などとまじまじと見ましたが無いですね笑。でも後ろには神殿があったり蛇巻く杖 (アスクレーピオス?) があったりで妄想が刺激されます。実直なプログレを聞かせてくれるのですが、はじめて聴いたときはピンと来なかった。でも、聴き直してみたら無茶苦茶イイじゃないですか。バックに常に流れるメロトロンの旋律が素晴らしい。白昼夢的というか、爽やかというか、独特のものがある音色。どの曲も幻想叙情と躍動感の対比が上手く表現できていて、見事な逸品に仕上がっております。特に気に入ったのは4曲目の「Atlantean」。幸せだったあの頃、もう戻れない昔……そんな夢想に誘ってくれる静かなメロディが秀逸。途中、キンキンのシンセに切り裂かれますけど、それも魅力なんです。


(2012.4.17.Tuesday)


・OPEN UP (1977)

うん? 前作に比してえらく……ツマンナイです。1曲目から歌メロのツマンナさが炸裂。バックはそれなりにイイと思っても、歌が入ってくるとダメダメに。あーーーもったいない!とか思っちゃう。アルバム全体を見ても動や陽に振れすぎていてドラマティックな幻想性が無くなっとる。まぁバックだけ聴いてるとそれなりだけどね。にしても、あれぇ……最初聴いたときはジャケに似合わず『ARDOUR』よりいいなとか思った記憶があるんだけど、今聴くとアカン。ジャケ通りのつまんない音だ。どうやら当時の感性とはサヨナラしてしまっていたらしい。つっても2009年頃の紙ジャケだからほんの数年前やがな。


(2012.04.19.Thursday)

FONYA


・PERFECT COSMOLOGICAL PRINCIPLE (1997)

マルチ奏者のChris Fournierが紡ぐスペーシー幻想シンフォ。
スペーシーといってもモロにサイケな不健康感は無く、ニューエイジ的な響きが多い。でもちゃんとメロディックでプログレしているという独特の音でなんかヤミツキになるなぁ。ギターもこだわっているのかデジタリーなシンセ等に音を合わせていて良し。ラストはYESのカヴァーだけど、これがまたいい出来です。水彩画の世界に入るかのような薄いファンタジーな感じが原曲にプラスされています。そういやアルバム全体、どことなくYESに通じているような気がする。音自体が似ているわけではなくて、清涼感あふれる雰囲気がね。これは良作でしょう。


(2012.11.03.Saturday)


・SUNSET CLIFFS (2000)

これまで同様、スペーシーかつ自然の美しさを感じられるインスト部は素晴らしい。しかし何を思ったのか今作はそこにヴォーカルが乗る。それが恐ろしくマヌケな声なんです。なんか台無しだよ。てことで、ここはやはりバックに注目すべき。1曲目のいったんヴォーカルが引っ込んでからの美しさは異常だし、お約束満載のラスト曲もなかなかのもの。自然賛美、ニューエイジ的思考を持ったミュージシャン特有の音といいますか、フツーのプログレにならないのが良い所なんじゃないかな。でもとにかくVoはいらんのだ!笑


(2012.11.03.Saturday)

GLASS


・NO STRANGER TO THE SKIES VOLUME III (2001)

1970年代に活動、2000年代に入って復活もしているバンド。
彼らが2000年にリリースした発掘音源集『NO STRANGER TO THE SKIES』はメロトロンなどが印象的なシンフォでとてもいい作品だった。さて本作は発掘音源第2弾である (ボリューム3となっているのは前作が2枚組だったため)。1971年〜77年までのライブ、リハーサル、デモ等を収録。ジャジーで、多少なりともテクニカルで、ウネウネしていてアヴァンだったりもする個性的なシンフォ。印象的なメロディなんかはほとんど無くて、イマイチな曲が多いな。前作の魅力だったメロトロンの湿り気ある音色も聴かれないし (今作のメロトロンは音が悪い!)。良い曲は前作に全て収録していたってところなのかなぁ。ややガッカリだがあくまで前作に比べればの話。けして聴いて損する出来ではないかと。


(2013.07.11.Thursday)

GLASS HAMMER


・JOURNEY OF THE DUNADAN (1993)

Fred SchendelStephen DeArqeによる、現在も精力的に活動を続けるバンドの1作目。2人はこのバンド以前に『Lair of the Wurm』,『Fortless of Fear』,『Rain Dance』という3つのカセット作品を出しているそうです。
YESからの影響が強いみたいだけど、なんとも芯の無いサウンドでVoやChoも弱く、典型的な薄味シンフォという感じ。正直この時点では後にアメリカを代表するシンフォ・バンドのひとつになるとは思えないけど、けして悪い出来でもないんよ。いくら薄味であってもBGMにすること無く、しっかり耳を傾ければ特にKeyによる魅力的なメロディが詰まっていることに気付く。Key弾きまくりの曲は聴き手の想像を広げるような効果があって絶妙だし、アルバム中盤、「Rivendell」からのゆったりまったりファンタジーな曲の集まりもすごく良い。時折挟まるドワーフソングとかバブリーなハードロックのような他とは毛色の違う曲も曲単体だと好きではないけど耳を新鮮に保つ役割をしてて面白いかな。派手さとゆったりイマジナシオンを併せ持つ「The Return of the King」が一番気に入った曲。


(2012.11.27.Tuesday)


・PERELANDRA (1995)

2作目。
派手さと同時に夢幻性に溢れる曲調は前作と同路線。音色使いのセンスがとてもよくて、やや軽さは残るものの全体がより磨き上げられた感じがする。Keyの疾走に思わずガッツポーズが出そうになる「Time Marches On」「Illusion」は言うに及ばず。異教的、宇宙的、邪悪さ、そしてギターが奇妙な音で泣く「That Hideous Strength」が超名曲! ただ、相変わらずVoは弱々しいなぁ。女性Voはいいので全編担当させればいいのに。個人的に好きなバンドなので甘めに書いてる笑。


(2012.11.27.Tuesday)


・ON TO EVERMORE (1998)

3作目。Stephen DeArqeSteve Babbと名前を変えている。
これまでよりもハッキリと輪郭ある音になった。9曲目の「Twilight On Longview」みたいなフニャフニャした曲も前作までのような霧の中に幻を見る感じではなく、どこか現実的。そしてVoがすごく良くなりました。頼りない感じが一掃されたので安心して聴ける。空舞うように麗しい5曲目「Arianna」が名曲! 曲中盤の落涙必死のメロディときたら! もうたまりません。ストーリーは前作からの続きで、ペレランドラという赤子を拾った人たちが町ごと不穏な空気に包まれていくみたいな感じ。私の買った盤はジャケが紙1枚のショボンな感じで歌詞は載ってないけど対訳は載ってます。おそらく簡易な再発盤で、帯や解説は流用という形なんでしょう。


(2012.12.01.Saturday)


・CHRONOMETREE (2000)

4作目。プログレを聴くうちに神秘体験してしまう男の物語。ブックレットには異星人から授かった技術の図面みたいなのが載ってて微笑ましい。なんというか、プログレファンなら笑うと同時に妙にリアリティを感じてしまうんじゃないでしょうか。そうでもない?
キーボードやギターの使い方、Voの歌メロのつくり方などが今までとは随分違っていて、なんだか異色作という気がします。いままではYESの影響が濃いのかなと思ってたんだけど、今回はいわゆるキーボードシンフォニックな色が強く出ています。もともとYES的な歌メロ、コーラス作りよりKeyの表現力こそ聴き応えがあったバンドだけに、こういうアルバムをひとつでも作ってくれたことが嬉しい。そしてVoもイイんです。アクが強くなり過ぎない程度にこねくりまわす歌声を妙に気に入ってしまった笑。 「An Eldritch Wind」「A Perfect Carousel」のようなバラードにもピッタリ。なお、Arjen Lucassenが参加してます。


(2012.12.01.Saturday)


・THE MIDDLE EARTH ALBUM (2001)

一応5作目だがトラッド/フォークをやっているイレギュラーなアルバム。
タイトルからもわかるようにトールキンなんかのファンタジー世界のドワーフの住処たる洞穴なり酒場なりで歌われる土臭い歌って感じで汗散るような咽返るドワーフオヤジ臭さがスゴイ(苦笑)。正直、私はあまり好みではないな。ちゃんとオヤジ達の歓声も入っててファンタジー酒場の雰囲気は出ているけどね。もっと若々しい声の男性や女性が歌ってくれるならいいんだけどねぇ。実は女性Voが登場する8曲目の「Mirkwood」からはガラっと雰囲気が変わって美しいフォーク・プログレといった感じになります。これがすごくイイ! オヤジ達の宴会の中、こんなのが聴こえてきたらそらノックアウトよ。既発曲の再録も収録されています。


(2012.12.01.Saturday)

HERMETIC SCIENCE


・ED MACAN'S HERMETIC SCIENCE (1997)

1995年に音楽の教師だというEd Macanが始めたプロジェクト。
軽快に跳ねて転がるようなヴィブラフォンを中心としたジャズロック系ってことでいいのかな? 曲中に忙しくなったりゆっくりになったりの変化はあるが、メロディらしいメロディもなく、あまりピンと来ないナ。一切感情が伝わってこない硬くて摩訶不思議な音と捉えると、ちょっとは楽しめるけど、『En Route』に比べガッカリなまでにつまらないです。よほど思い入れがあるのか、ホルストのMarsをここでもやっていて、これがアルバム中で一番面白い出来かも。他にCURVED AIRELPのカヴァーもやってます。


(2014.09.22.Monday)


・EN ROUTE (2001)

妙にチープなシンセと軽快なヴィブラフォン、美しいピアノなどが癖になるサウンド。ほんとこのチープな音は何なんだろ笑。ショボイのに聴き通してしまう。7曲目の「Raga Hermeticum」がチョットツボかも。ラーガというだけあってインドっぽいんだけど、全然本格的じゃなくてスゴイメロディアス。観光地としてのインドのイメージといいますか、ヌルくて素敵な曲だ。ちなみに1曲目はKING CRIMSONでもおなじみ「Mars」なんだけど、結構迫力ある仕上がりかも。


(2011.02.04.Friday)

HOLDING PATTERN


・HOLDING PATTERN (1981)

シンフォ系バンドのこれがデビューミニらしい。
明快で爽やかなKey中心のいかにもなシンフォから、一瞬にして緊張感漂う展開を見せるあたりにとてもイイものを感じられる。2曲目の「Honor Before Glory」を聴くと、メロディ面も抜かりなしって感じ。この曲のじっくり聴かせるギターなんかSEBASTIAN HARDIE辺りが好きな人は気に入るかも。そんなギターを弾いているのはソロアルバムも出しているTony Spadaです。なかなかに強烈なダークさを見せるラスト曲「Out Of The Tunnels」もいい。4曲収録で、いずれも全く似たところ無く、でもいずれもクオリティは高い。


(2013.02.06.Wednesday)

KDB3


・VERITE (2009)

Doug Bowersという人物のプロジェクト。この人はAD ASTRAというバンドでも活動しているらしい (同名のバンドが結構あると思うが『Beyond Our Bounds』という作品を出したバンド)。
ハードロック寄りというか産業ロック寄りっていうの? そんな感じのかなりポップで聴きやすいシンフォ。YESのような澄み渡った清涼感ある部分もあって、飛び抜けた魅力はないにせよシンフォ好きなら聴いて損はないんじゃないかな。腐敗した未来を描いたような大曲の出来が特に良い。最後の曲は色んな言語が飛び交うんですが「号外です! 号外です!」言ってて笑ってしまった。


(2015.03.11.Wednesday)

KEN WATSON


・ASSEMBLY (1985)

フロリダ出身だというケン・ワトソンがドラム以外をほぼ一人で担当した作品。レコード時代とはジャケットが別物になっている。
軽快に駆け抜けていくシンフォなジャズ・ロックといったところでしょうか。テクニカル系特有のめまぐるしいガチャガチャしたサウンド。でも不思議と聴きやすくていいですね。とにかく清涼なのがポイント。ヘヴィだったり土臭かったりしないのがイイんです。


(2016.02.23.Tuesday)

LAND OF CHOCOLATE


・REGAINING THE FEEL (2004)

FINNEUS GAUGE, ECHOLYNなどの関連バンド。
ダークな色合いで蠢くテクニカル系の音。メロディがどうとかいうタイプじゃないんで個人的にはあまり楽しめない部分が多いんだけど、知的かつ迫力ある音楽になっているし、惹き込まれる演奏もしばしば出てくる。ただ、ヴォーカルは無いほうがいいんじゃないかなぁ。なんの抑揚もなく垂れ流される歌メロはキツすぎます……。


(2014.07.20.Sunday)

LIQUID SOUND COMPANY


・EXPLORING THE PSYCHEDELIC (1996)

ドゥーム・メタル系のバンドSOLITUDE AETURNUSJohn Perez(G, Vo, Per)によるバンド。
ジャケ通りのサイケデリック系のサウンドで、詳しくはないがメロディアスなドゥームだったSOLITUDE AETURNUSとはだいぶ異なる。少しオリエンタルな旋律をノイジーでサイバーな感じに仕立て、淡々と進んでいく曲調がなかなか良いと思います。元気の良さ、勢いはなく、かといってヘロヘロと酩酊するだけの音でもない。このどっちつかなさも魅力と言えばそうなのか。唐突にドゥームなのかスラッジなのか、ヘヴィな曲も挟まるが異質すぎて浮いている。でも全体が一本調子にならないためならそれはそれでいいかも。


(2014.12.18.Thursday)

THE MAYAN FACTOR


・IN LAKE 'CH (2003)

ボルチモア出身というバンド。
海外のサイトがやけにプログレとして紹介してたもんで気になって聴いてみたわけだけど、わりとフツーのロックでした。明るさはなく、なんか自暴自棄になったかのようなヤサグレ感ある今風の音。もう絶望しか残されてないんじゃ!って具合に叫ぶヴォーカルが印象的です。ラストは14分の大作……なんだけど途中無音があるので実質2曲という感じ。ラップみたいな部分が癖になるな笑。ま、特に思うところのない音でした。


(2018.03.07.Wednesday)

MUSHROOM HONEY


・IN THE SUMMER OF THE MUSHROOM HONEY (1999)

サイケ系コンピレーションアルバムに関わったりしているStan Denskiなる人物のプロジェクト。『真夏のソーマ霊酒』というタイトルで日本盤も出ていた。
名前からもそんな感じだろうなと想像できる如何にもなサイケデリック・サウンド。繰り返される空虚なギターとパーカッション。女性が虚ろに呟いていたり、時折何かが憑いたかの如くハイになって歌ったり。そしてバックには幻想的というにはあまりに危険な香りのキーボード。健全さなど微塵もないだる〜んとした音楽であり、聴いてる方はいい気持ちで瞼を閉じてしまう。わりと似た感じの長い曲が多いのでアルバム終盤ともなるとダレてくるかな? でもサイケはそれで良いと思う。


(2014.12.18.Thursday)

POLYPHONY


・WITHOUT INTRODUCTION (1971)

70年代初期に活動したバンドの唯一作。
ポップさ皆無で硬派なド迫力キーボード・ロックを聴かせてくれる。時にはギターも一緒になって襲い来るその様はヤケクソ極まり、爽快なことこの上なし! その分叙情性なんかは期待できるわけもないが、洗練されてない時代ならではの暴力性に溢れた逸品。なかなか聴き応えアリですよ。どことなくイタリアのJ.E.Tみたいなメロディが出てくるのは偶然だろうか。


(2014.02.09.Sunday)

QUIET CELEBRATION


・QUIET CELEBRATION (2000)

SPIRITS BURNINGというスペース・ロック系のバンドのDave Falconeによるプロジェクト。
トライバルだけどやたら浮遊感あるタブラなどのパーカッションにスペーシーなシンセ、その上に乗るのは大人な落ち着いたジャズ調のサックスやフルート (担当したのはJohn Purvesという人)。全曲そんな感じでヒジョーにゆったりしてるのでスペース・ロックという感じはせず、スピリチュアルな感じ笑。オカルト番組に使われた曲もあるそうで、それもなんか納得いく音ですね。


(2018.11.06.Tuesday)

RHYTON


・RHYTON (2012)

PSYCHIC ILLSのメンバーも居るブルックリンのサイケ・バンド。
昔のロックって感じのギターが主導するジャム風のインスト曲で構成。ウネウネとしたギターがリズムに絡みついたり、地の底から聴こえる呻きのような音を出したり、爛れた世界が垣間見える危ない世界だ。ただ、あまり濁っておらず妙にスッキリした音なのである程度は聞きやすいかも知れない。こうした音で頭の中を掻き回されるのは楽しい。


(2013.09.17.Tuesday)

THE RUPERT SELECTION


・CONSPIRITORIUM (2012)

2009年結成のトリオのデビューアルバム。
ちょっとテクニカルなヘヴィ・ロックという感じでしょうか。ギターがザクザクでズンズン迫ってきます。ヴォーカルは粗雑で威圧感あって聴いてると睨まれてるような気分になってしまう笑。まぁこういうサウンドには合ってると思う。カッコイイとは思うけど、心に残るメロディがほぼほぼ無いしな〜…………あんまり趣味じゃなかった。なんかアヴァンギャルドな実験曲みたいなのが一番良かったけど、彼らの本分じゃないだろう曲だしなぁ。


(2018.11.09.Friday)

SIX ORGANS OF ADMITTANCE


・THE SUN AWAKENS (2006)

サイケデリック系のバンドCOMETS ON FIREのメンバー、Ben Chasnyのプロジェクト。
ボソボソとしたひっそり声で歌われるアコースティック・ギター中心の弾き語り風の曲が多いんだけど、ズ〜ンと持続する音なんかも使われアジア宗教っぽい響きがある。穏やかな部分とノイジーなギター弾きまくったりするトコロと宗教色が混在して面白い雰囲気。ラストは20分を超える大曲で、神殿の奥で幾人かの男が無表情に歌っている…………そんな様を妄想してしまう、宗教色を煮詰めたような異様な曲でサイコー! 沢山の作品を出しているようで、これが彼らのメインの音楽性なのかはわからないけど気に入りました!


(2018.11.13.Tuesday)

SOMNAMBULIST


・SOMNAMBULIST (1996)

荘厳なメロトロンとヘヴィ・ロックの組み合わせ。歪みきったオルガンとシンセも含め、こういったレトロでかつヘヴィな音というと、ANEKDOTENANGLAGARDあたりとついつい似てるなんて思ってしまうけど、こちらはよりノリが良くてイマドキ要素が強い感じ。Voはラフでシャウトしてるし。メロトロンとシンセが同時に鳴って、リズムは超ヘヴィで、かと思えば流麗なピアノが哀感を湛えたりして、聞いていてかつてない感覚に襲われました。唯一無二の圧倒的なサウンドです!


(2019.09.06.Friday)


・PARANORMAL HUMIDOR (2001)

5年ぶりのアルバム。メンバーが何人か抜け、VOLAREというバンドのメンバーと共に録音を開始するも上手くいかない等の紆余曲折を経て発表された物とのこと。
前作のやけっぱちでさえあった暴走感は減って、暴虐がカッコイイ路線からメロディが良いシンフォヘ舵を切った感じか? 激しさは曲に上手く溶け込み飽きさせない要素となっている。Voは絶叫してたりするが演劇的な演出といったものに聞こえる。路線は違えどこれも素晴らしい出来。メロトロンによる幽玄さなんてものはすっかり消えちゃってそれだけは寂しいが。


(2019.09.06.Friday)

SPIRES THAT IN THE SUNSET RISE


・SPIRES THAT IN THE SUNSET RISE (2003)

女性によるアコースティック楽器を駆使したバンドで、フォークや前衛音楽やサイケデリックがゴチャ混ぜになったキケンな音を聞かせてくれます。秘教の儀式めいた暗黒さが充満、聞いてる内に心の暗黒ゲージがどんどん溜まっていく気がする。これはもうハマると抜けられませんね! でも、狂気じみた叫びはややわざとらしくて、ああ、あくまでエンタメなんだと変に安心したりする笑。実際どうだかはわかりませんけどね。


(2019.10.03.Thursday)

ST 37


・THE SECRET SOCIETY (1999)

1987年にテキサスで結成されたらしいバンド。
わりとズルズルとしたヘヴィなサイケロックサウンドが主体で、そこにグニョニョニョって感じのノイズ一歩手前の電子音が乗ってます。とくれば私の大好物なはずなんですが、いまいちハマれない……。理由は明白で、他の音が大きすぎて電子音が聞こえにくいから。あくまでもしっかりとロックなんで、混沌なサウンドをサイケに求める私には向いてなかったかな。でもなんとなく他のアルバムも買ったりしてるから自分でもよくわからん。7曲目の 「Astral Wars」 と、デジタル販売の際に追加されたらしき曲のいくつかは観念世界に旅立ってしまいそうな曲で好き。


(2018.03.10.Saturday)

SYSTEMS THEORY


・SOUNDTRACKS FOR IMAGINARY MOVIES (2004)

70年代から音楽活動をしているらしいマルチ奏者3人組。
いわゆるスペース・ロック系の音ではあるんだけど、グニョグニョ電子音を振り撒きながら疾走するタイプではなくわりとしっとり落ち着いた音という印象。ゲストのヴァイオリンが民族音楽調のメロディを紡いだり、テクノなサウンド (これもゆったり) にジャジーな管楽器が乗ったりとわりと何でもアリななか、サイバーなキーボードが全体に統一感を持たせている。1曲1曲は良いんだけどゆったりと地味な曲が続くんで、たまには速い曲を挟んでほしいナー、じゃなきゃアルバム通して聴くとアクビが出そうになるよーなんて思ったり。後半にタイトル通りのサントラ的な映像を喚起する良い曲が揃ってるだけに、中盤までに脱落するともったいないですし。


(2016.04.30.Saturday)

TMA-2


・ARTIFACT ONE (1996)

GLASS HAMMERFred SchendelStephen DeArqeによるテクノ系のユニットで、友人がDiskatopiaというそれ系のレーベルを始めたことと、レイヴのシーンに関わりたいという思いから始めたんだとか。
重苦しい男のセリフ、意外と電子感を感じさせないリズムに少し不思議なシンセがクニョクニョと鳴らされ、なんだかサイバーパンクな荒廃した都市が目に浮かぶ。ちと聞いてて疲れるかなぁ。たまに女性スキャットが聞こえる淡い曲があったり、キラキラとした音色も目立つので、荒廃を忘れさせてくれるのはイイね。どの曲も遅めのテンポで体に響くリズムみたいのはまるで無くて踊るための音楽とは思えないが……?


(2019.09.08.Sunday)


・TICK TOCK LILIES (1998)

わりと前作同様の部分もあるんですが、ドラムの音と同調するようにシンセが鳴らされるのもあって、テクノとかハウスとかいう言葉で思い浮かべがちなサウンドに近くなった感がある。その手の音楽にまるで明るくないためただの思い込みの可能性大ですが……また、明るさも目立つようになった。1曲目の元気の良さにはビビるよ。ポッポヤ〜ポッポヤ〜って聞こえて仕方ない笑。11曲目のバカっぽさもなんかクセになるな。結局なんらそっちの世界で評価を得ることは出来なかったのか、もうこういう作品は作らないそうです……。


(2019.09.08.Sunday)

TRACY CLOUD


・LOVE CHANGES (1996)

GLASS HAMMERのアルバムに参加していた女性ヴォーカリストのソロ・アルバム。
いかにもなシンフォ系インスト曲含め、曲は全て彼女の作だが、ジャケットに「featuling GLASS HAMMER」とあり、プログレファン的にもちょっと嬉しいところのある作品だったりする。ポップス、あるいはフォークといった曲調にメロトロンやらフルートやら色々使われていて、GLASS HAMMERの『PERELANDRA』辺りを思わせる清涼感ある優しい幻想シンフォな趣があって結構良い。主役はなかなか可愛らしい声で、上手いというのとは違う魅力が感じられます。キュンと来るといいますか、セツナ系笑なメロディも良い。


(2015.02.03.Tuesday)

YEZDA URFA


・BORIS (1975)

1973年に結成されたバンドがレコード会社への売り込みのために作ったというアルバム。
超テクニカルでガチャガチャしたサウンドなのに覚えやすいメロディ満載! テクニカル系がちと苦手な私もこれは大好き。アコースティック楽器によるセンチメンタルなパートが上手く挟み込まれてて目まぐるしいけど感動しちゃう。目立ちまくるベースも聞いてて気持ちいいなー。ヴォーカルは高音気味でYESっぽいけどJon Andersonほど浮世離れしてないっていうか、凡人という気がする。けどホント良い作品です!


(2018.11.07.Wednesday)


・SACRED BABOON (1976)

『BORIS』の後に録音されるも日の目を見なかったとされるアルバム。邦題は『聖なる野獣』。このジャケと丘の上にたたずむ猿の二種類のジャケがある。
BORIS収録曲のリメイクと新曲で構成されていて、路線はなんら変わらず複雑な曲をこなすテクニカル系だけどメロディにも抜かりなしってやつです。これもいいアルバムだなぁ〜。細かい演奏に乗るヴォーカルが妙に凛々しくて良し。時折音程が合ってるのかわからなくなる不可思議さも面白し。私が大好きなBORISの一曲目が二つに分かれて収録されていますが、短くなっちゃってるのが残念ではある。


(2021.02.12.Friday)

ZOMBI


・COSMOS (2004)

リズム楽器とシンセサイザーのみという編成のコンビ。
ポストロック方面で活動している……みたいな先入観を持っていたのですが、聞こえてくるのは唸るアナログシンセにストリングス系の音が被さるなんてもので、シンフォとして聞くことが十分以上に可能。シーケンスリズムに反復でっていうジャーマンエレクトロ系的な部分もある。メロディで聞かせるというわけではなく、ゴリ押しなパワーあるシンセが凛々しさや不気味さやスペーシーさを振りまいて重々しく迫って来る。シンセがホントにブっとくて腹に響いて気持ちいい。ラストの 「Taurus」 なんて宇宙を揺蕩う得体のしれないナニか……だよ!


(2020.07.23.Thursday)


ProgPsycheLove … since 2012
inserted by FC2 system